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前山 伸也*; 渡邉 智彦*; 仲田 資季*; 沼波 政倫*; 朝比 祐一; 石澤 明宏*
Nature Communications (Internet), 13, p.3166_1 - 3166_8, 2022/06
被引用回数:11 パーセンタイル:93.39(Multidisciplinary Sciences)乱流輸送は、磁場閉じ込め核融合プラズマを閉じ込めるための重要な物理過程である。最近の理論的,実験的研究により 小さい(電子)スケールと大きい(イオン)スケールの乱流の間にクロススケールの相互作用が存在することが明らかにされている。従来の乱流輸送モデルではクロススケール相互作用が考慮されていないため、将来の核燃焼プラズマ実験においてクロススケール相互作用を考慮する必要があるかどうかを明らかにする必要がある。核燃焼プラズマ実験では、核融合で生まれたアルファ粒子によって高い電子温度が維持されるため、プラズマの性質が今まで実験されてきたものと大きく異なると予測される。本論文では、スーパーコンピュータを用いたシミュレーションにより、高電子温度プラズマにおける電子スケールの 電子温度プラズマの乱流は、電子だけでなく燃料や灰の乱流輸送にも影響を与えることを明らかにした。電子スケールの乱流は、イオンスケールの微小的不安定性の原因である共鳴電子の軌道を乱し、大きなスケールの乱流揺らぎを抑制する。同時に、イオンスケールの乱流渦も電子スケールの乱流を抑制する。これらの結果は 異なるスケールの乱流が互いに排他的であることを示す。また、クロススケール相互作用により、熱流束が減少する可能性を示す。
三浦 幸俊
RIST News, (61), p.1 - 2, 2016/07
最近のスーパーコンピューターの処理能力は、1秒間に1PFlops=1,000,000,000,000の処理をする。数字的には無限に近い演算を行なっている。そこで、無限大の数に関する数学的な考え方を解説し、また、分子等が多数(無限と思える数)の集団として、衝突、摩擦などを行なう振る舞いは、「複雑系」と呼ばれる振る舞いを示す。この複雑な自己組織化する振る舞いもスーパーコンピューターが限りなくその能力を発揮し、我々に未知なることの姿を教えてくれるだろうと考えている(巻頭言)。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 吉田 啓之; 秋本 肇; 佐竹 信一*
Proceedings of International Conference on Jets, Wakes and Separated Flows (ICJWSF 2005), p.137 - 144, 2005/11
著者らは水や蒸気からなる二相流現象を実験式や構成式を極力用いないで予測する新しい二相流解析手法の開発を行っている。本手法では従来手法よりも大量の計算格子数が必要である。そこで、著者らは地球シミュレータ等のスーパーコンピュータを用いた効率的な大規模シミュレーション法開発や大規模解析データの可視化表示法開発も併せて行っている。本報では、開発中の二相流解析手法を使って予測した将来型水冷却炉の燃料集合体内を流れる気泡流及び液膜流挙動の結果を示す。燃料棒が稠密に配置された将来型炉の燃料集合体において、狭隘な燃料棒間における大規模な気泡の合体・分裂に関する挙動がはじめて詳細に明らかになった。また、スペ-サまわりの液膜挙動の詳細も明らかになり、数値計算によるスペ-サ形状の最適設計実現に対して高い可能性が得られた。
前迫 浩*; 鈴木 喜雄; 青柳 哲雄; 中島 憲宏
FUJITSU, 55(2), p.109 - 115, 2004/03
ITBL(Information Technology Based Laboratory)プロジェクトは、e-Japan重点計画の一つとして、6つの研究機関が主体となり推進されている。本プロジェクトの目的は、研究機関が固有に所持しているスーパーコンピュータ・プログラム・データなどの知的資源を共有化し、研究者間の共同研究を支援する仮想研究環境を構築することである。日本原子力研究所は、この仮想研究環境を実現しうるためのITBLシステム基盤ソフトウェアの開発を行っている。ITBLシステム基盤ソフトウェアは、スーパーコンピュータを接続するための認証機能や並列分散通信機能,それらを利用するためのジョブ実行支援機能,研究者のコミュニケーションを支援するコミュニティ機能などを提供する。ここでは、ITBLシステム基盤ソフトウェアの紹介のほか、アプリケーションとして開発している量子生命情報システム,数値環境システムについても紹介する。
谷 啓二
第49回理論応用力学講演会講演論文集, p.313 - 316, 2001/00
科学技術庁は、地球観測,基礎過程研究,計算機シミュレーションの三位一体で地球環境変動予測研究を促進される計画を推進している。その一環として、大気大循環シミュレーション分野の現用計算機の1000倍の実効速度を持つ超高速計算機「地球シミュレータ」の開発を進めている。そのシステム概要,開発状況及びその利用における課題について発表する。
横川 三津夫; 谷 啓二
情報処理, 41(4), p.369 - 374, 2000/04
科学技術庁では、プロセス(基礎科学)研究、観測、計算機シミュレーションの三位一体で地球環境変動予測研究を推進するプロジェクトを平成9年度より推進している。その一環として、大気大循環シミュレーションで実効性能5TFLOPS(ピーク性能40TFLOPS)の超高速並列計算機「地球シミュレータ」を開発中である。この地球シミュレータのハードウェア、基本ソフトウェア、応用ソフトウェアについてその概要を解説する。
谷 啓二; 横川 三津夫
情報処理, 41(3), p.249 - 254, 2000/03
科学技術庁では、プロセス(基礎科学)研究、観測、計算機シミュレーションの三位一体で地球環境変動予測研究を推進するプロジェクトを平成9年度より推進している。その一環として、大気大循環シミュレーションで実効性能5TFLOPS(ピーク性能40TFLOPS)の超高速並列計算機「地球シミュレータ」を開発中である。この地球シミュレータの開発の必要性、応用ターゲット、そのために求められる計算機としての要件、開発スケジュール、さらには、世界の高性能計算機開発計画における位置付けなどについて解説する。
中川 正幸; 秋元 正幸
情報処理, 36(2), p.137 - 142, 1995/02
上記学会誌における特集「最先端の科学技術とスーパーコンピューティング」のための原子力工学分野について紹介したものである。内容としては原研におけるスーパーコンピューティングの現状をいくつかの例について紹介する。これには計算機資源と利用状況、核分裂と核融合炉の解析、原子炉の安全解析、知識化技術、計算科学等が含まれる。次にスーパーコンピュータを用いて高速高精度化に成功した一例として中性子、光子のモンテカルロコードの内容と評価をやや詳しく紹介する。最後にスーパーコンピューティングの新技術開発に果す役割について代表的な例を挙げて述べる。
伊藤 伸泰
AIP Conference Proceedings 248; Computer-aided Statistical Physics, p.136 - 142, 1992/00
3次元強磁性イジングモデルに対し、スーパーコンピュータによるモンテカルロシミュレーションにより磁化の2乗の熱平衡状態での期待値を計算した。この値を系の大きさについて外括することにより自発磁化の値を温度の関数として得た。この値を赤池情報基準量(量大エントロピー法)により解析し、臨界点、臨界指数を従来の評価値よりもはるかに良い精度で得た。スーパーコンピュータのためのシミュレーション・アルゴリズム、計算機の性能評価をイジングシミュレーションの速度で行った結果についても報告する。
伊藤 伸泰; 金田 康正*
Proc. of the Int. Symp. on Supercomputing, p.253 - 257, 1991/00
計算機のアーキテクチャが多様化し、同じ問題を解くための最適なアルゴリズムが計算機により異なる、ということが今日おこっている。このため、各計算機の性能を評価することは次第に難しくなりつつある。従来のベンチマークテストでは、実際の性能を予想することは困難である。発表者は、実際に使われる問題の処理速度によって計算機の性能を評価する方法(AbBT)について考察し、評価に用いるのに適した問題の条件を明らかにした。そして、実例として、乱数発生法およびイジングモデルのモンテカルロシミュレーションを提唱した。これらによるベクトル計算機の評価結果も与えた。このようなAbBTにより、ベクトル計算機のみならず、並列計算機との現実的な性能評価、比較を可能となると考えられる。
中川 正幸; 森 貴正; 佐々木 誠*
Prog. Nucl. Energy, 24, p.183 - 193, 1991/00
被引用回数:8 パーセンタイル:64.43(Nuclear Science & Technology)中性子と線の輸送計算をモンテカルロ法を用いて、高速に行うため新しいコードを開発した。これはベクトルスーパーコンピュータ用に作成したものであり、新しいアルゴリズムを考案して最適化を計った。コードは多群用のGMVPと連続エネルギー法を用いたMVPがある。共に固有値問題と外部線源問題を解く事ができ、幾何形状として多種類の組合わせ形状、及び格子形状が使用できる汎用コードである。コードの機能・性能を実証するため各種の問題を解いた。その結果従来のスカラーコードに比べGMVPは7~10倍の高速化を実現した。特に格子形状の採用は原子炉の炉心形状を極めて詳細にモデル化できる上に、一層の高速化が可能となった。これ等のコードの手法、性能、興味ある計算結果について発表する。
小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 河村 拓馬; 伊奈 拓也; 下村 和也; 稲垣 厚至*; 鈴木 真一*; 平野 洪賓*; et al.
no journal, ,
デジタルツインに基づく風況予測は、都市街区内の歩行者に対する熱中症評価や微小粒子状物質の拡散予測などスマートシティ設計・運用に応用など、新たな社会基盤構築に貢献できる技術である。本ポスター発表では、都市街区内の風況デジタルツインの実現に向けた、観測とメソスケール気象データとのデータ同化に基づく風況シミュレーションについて紹介する。
井戸村 泰宏
no journal, ,
メニーコアCPUおよびGPUを搭載した最先端エクサスケールスーパーコンピュータである富岳とSummitにジャイロ運動論的トロイダル5次元full-fオイラーコードGT5Dを移植した。GT5Dは半陰的差分スキームに基づいており、スティフな4次元線形演算子を陰解法で計算する。そして、高速な運動論的電子に対する陰解法差分ソルバが80%以上の計算コストを占める。この陰解法ソルバはクリロフ部分空間法(GCR)によって実装されたが、大域的集団通信と袖通信がエクサスケールスーパーコンピュータにおけるボトルネックとなってきた。この問題を大域的集団通信回数を削減する省通信型クリロフ部分空間法(CA-GMRES)および反復回数や袖通信回数を削減するFP16前処理によって解決した。富岳およびSummitにおいて、新しいCA-GMRESソルバは従来のGCRソルバのそれぞれ2.8倍および1.9倍の高速化を実現し、5,760CPU/GPUまで良好な強スケーリングを達成した。